『よぉ、香月』




携帯を閉じ、振り向くと
アキラさんがドアに寄りかかってた。




『あ、おかえり―

今日は早いね』



あたしはベットから飛び降りアキラさんの元へ駆け寄った。



『まあな。早めに切り上げてきた』




そう言って、アキラさんは大きな手であたしの頭を優しく叩いた。



『何?』




『香月がやっと学校行く気になったみてぇだからな』




『えっ!?』




も…もしかして、電話聞こえてた…?




あたしが戸惑ってるとアキラさんは身を屈めて

あたしの耳元で


『振られたからってまた閉じ籠るなよ』


と言ってニヤリと笑った。




『!!!!』



全部聞こえてた…!?



あたしは恥ずかしすぎて


ゲラゲラ笑うアキラさんをリビングへ追いやった。