『香月ちゃんのこと
なんでみんな怖がるの?』




『……』




『ねぇ、千里ちゃん。

なんでなのか教えて?』






私がしつこく聞くと、

千里ちゃんはしぶしぶ答えてくれた。




『…あたしが聞いた噂ではね、

雨宮さんってヤンキーとか、

暴走族とか、

…暴力団とかと繋がりがあるとかって聞いてね…』



『うん?』



『雨宮さんの機嫌損ねると
その人たちに絡まれるっていう噂が流れてるの』




この話しを近くで聞いていたのか、
他の子もこの噂話しに混ざりこんできた。



『あたしは雨宮さんに目つけられると
その日にボコられるって聞いたよ』



『雨宮さんって、
少年院入ってたんでしょ?』



『俺は暴走族のヘッドとか聞いたよ?』


『バイク乗りまわしてるの見たことあるやついるしね』



『そぉいえば、夏祭りのときに6人くらい男引き連れて来てたよね』



『来てた!来てた!
でも引き連れてた男、みんな結構なイケメンじゃなかった?』



『中でも一番身長高くて金髪の人がイケてた記憶が…』



『確かその時も喧嘩か何か騒ぎがあったよな』



『パトカー近くにいたのにね』



クラス中が香月ちゃんの話題一色になった。