あたしは急いで制服に着替えた。



外出ると、もう潤也が待っていた。



『お待たせっ』


小走りで潤也の元に行くと満面の笑みで迎えてくれた。



『香月、俺今から体育館の鍵かけて職員室に返してくるから待ってて?』



あ…あたしが着替え終わるの待ってたんだ。



『うん、わかった』


あたしが返事すると潤也は軽やかに走っていった。



『雨宮さん、今日はありがとう』


不意に後ろから誰かに話しかけられた。


振り向くとバスケ部の人がいた。

…この人確か部長だったかな…?



『あ、いえ…』


『またよろしくね』


部長はニコッっと笑うと、肩を“ポン”と叩いて

『おつかれ』


と言って通りすぎていった。