呆然となって黙っているあたしに、結崎さんが気まずそうに話す。 「あっ、いえ。あの、帰ってきました。バイトで……」 うまく言葉にできなかった。 そんなあたしの気持ちなど知らずに、結崎さんは優しく、 『お疲れ様でした』 と声をかける。 「あの、なんで、あたしの番号……」 予想はついているくせに、わざとらしく聞く。 『いや、事務所に貼ってあったから』 もちろん、予想通りの答え。 こわいくらいにドキドキした。