あれから、永輝は当たり前のようにアパートを訪れるようになった。

クリスマスだけは連絡も訪問もなく、彼女と過ごすのだからしかたないと思った。


年が明けてからも永輝と会い続けた。


彼女の存在はずっと引っかかったままだったけれど、永輝に聞くこともなく目をつぶり続けた。



「永輝、明日、仕事でしょう?大丈夫?」

「大丈夫だよ」



あたしの永輝に対する言葉遣いも変わった。

これも永輝の希望だった。


変わりつつあるあたしと永輝の関係。

永輝とあたし、それぞれの気持ちは平行線のままだったし、あたしは永輝に自分の思いを伝えることはなかった。

そして、彼女の存在を確かめることもしなかった。



「今度あたしね、リーダーになるんだよ」

「へぇ、成長したな」