アタシは急いで浴室を出て、すがるように携帯を手にした



震える指で通話ボタンを押す



「あゆ？　俺だけど……」



光星の声を聞いた途端、涙が溢れて止まらなくなった



「おい……あゆ……？

どうした？

泣いているのか！？」



アタシの様子に気づいたみたい



光星は慌てている



困らせているのに、アタシは涙で声がつかえてしゃべれなかった