「大丈夫か?」



ついぼうっとその人を見上げていたら、心配するように顔をのぞき込まれた



自分でもわかるくらい顔が真っ赤になる



「あっ、はい! 大丈夫です」



「そう……よかった。気をつけて歩きな」



その人は薄い唇を少しだけ持ち上げて笑って、颯爽とアタシの横をすり抜けていった




どうしよう……心臓がドキドキいって、苦しいよ……




「……あゆ、あゆってば!」



立ち尽くしたまま夢でもみているようなアタシを美紀の声が呼び起こした