「あのー…
他にどんな時計があります?」


「え?…電池式とか」

「電池式!?」


「はい」

「………」

「…もしかして…御存じ無い?」

「はい、知りません」

「えぇー!?
ウソだぁー
それはありえない!」

「そんなに驚かなくても…」

「あ…すみません、でも、信じられない話だ」


「私も、信じられないですよ…」


「そう…、…御存じ無いならそうでしょうけど…、…でも…、時代遅れもいいとこですよ……、
あっ!だから、カレンダーも古いままなのかー!屋敷も服装も昔風だし、なるほど!」


「!?」


「いやっあの、カレンダーも変わってないから。
さっき見た時は、
『どういうことだ!?』
って意味がわからなかったんですよ。
この年号が現実に今なら、私、生まれてませんからね。
でも、謎が解けました。カレンダー、変えてないだけなのですね。
そうかそうか!なぁんだ。真面目に考えちゃいましたよ」


「………あのー」


解明出来て、心晴れ晴れに笑顔になった私を見ながら、希毬は、伺う様に言葉を発した。


「何を言ってるのかわかりませんけどー……
カレンダー、古いままではないですよ?」


「……え?」


「えぇ?」


私は、希毬と顔を見合わせる。


「古いままではない?」


「はい」


きょとんとなる私を、
希毬は、不思議そうに見ている。