開いた口が塞がらないとはこういうときのためにある言葉だというのも学んだ。




「とりあえず入ろっか」


そう言うと間抜けな顔をした私の手を引っ張って誘導してくれた。



「お、おじゃましま~す」

「はいはーい」


緊張ぎみの私のあいさつに笑顔の彼が答える。


「おうちの方はっ?」

「僕、独り暮らしだから」

「え゙ぇ?!こんなでかい家に?!」

「一応管理人やってますから」



はっ!!!そうだった。
ここに来た目的は家の話ではなく"どりオク"について話を聞くことだった。