纏うのはいつだってちっぽけなプライドだった。捨て去ることも出来ずに大事に取っておいて、身動きが取れなくなることを分かっているのにも関わらず。それでも手放せない、もので。格好悪いけれどそれが俺で、だから仕方なくて。涙を流せるくらいだったら最初から諦めてたよ。きっと。
 まぶしいものをすべて除けて払いのけて選び捨てて、最後に残るものはなんだろう。夜明けのひかりが凄まじいことなんて誰でも知ってる。だから俺はあえて目をそらす。一度目を焼かれたから。何も、見えなくなったから。
 極彩色の迷彩をまとって俺は、今日もあの人の後姿を捜し続ける。盲いた目で、歩き続ける。たぶん、この先ずっと。