沈めて欲しいなら最初からそう云えば良かった、のに。夜は素敵に絶望色に染まってる。これじゃあきっと、声も届かない。必死に呼んでも叫んでも、君の大切な人は来ないだろう。ねぇ、これで良かったの? 本当に? 後悔、してない?
(アイツはいつでも本当のことを言わないから俺が勝手に想像を廻らして先回りするしかないから。後悔なんか、したってもう、とっくに)
 地中にもぐるのはなにかやましいことがあったからなの、君。

(熱を奪うものすべてが憎くて痛くてでも愛しかった。だからこそのこの結末。悪いのは俺一人。後ろを見るな、戻りたくなるから)

 最後の夜に相応しい盃を。