返事に困り言葉を詰まらせるあたしを、柳矢はまた抱き締めた。
さっきより、強く、ぎゅっと。
不思議と吉田より嫌じゃなかった。
「なぁ…俺とアイツどっちがいい?」
「何、言って…」
そう言いかけて柳矢の顔を見ると、今にも涙がこぼれそうだった。
「俺は最初からお前のこと友達だなんて思ってない。
…好きなんだよ」
「柳矢…あたしはっ…つ」
言葉を遮られた。
その正体は、柳矢の熱いキス。
舌が入ってきて、上手く話せない。柳矢に任せきりにしていたら、何かが胸に触れた。
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