「ミキオは?」



“彼女”の名前は


“真由美”
という



「まだ寝てます」



冴子は答えた



笑顔を
作ったつもりだ



真由美は
あからさまに


不満そうな顔をした



「今日
ミキオと約束してるの」



そう言って


口を
とがらせた



「10時って言ったのに」