『…笹島君?』 はっ、と我にかえった。 茜が清掃用具を片付けていた。 『あぁ、ごめん。 ありがとう、片付けてくれて。』 笹島が微笑むと、 茜は嬉しそうに笑い返した。 二人が気づかない間に、 保健室のドアが開いていて、 二人が笑い合っている光景を、 境智晴は見ていた。 静かな、目で。