「まだ知らなくてもいい。」



そう言って基子は静乃の頭を撫でた。



納得のいかないところが多々あったが、静乃は黙って頷いた。



「疾風は私が探す。
お前には仕事をして貰いたい。」


「わかりました。」



手渡された紙に目を通し、静乃は立ち上がった。



「心配せず、しっかり仕事をしてこい。」


「疾風をお願いね。」


「頼まれた。」



基子の笑顔に励まされ、静乃は指定された場所に向かった。