「どうしたらいい?」



静乃はさっきから渦巻いている疑問を口に出した。



どうしたらいいのか私には分からない。



人の心は分からない。



わかっているのは小さい頃から教え込まれていた心理術だけなんだ。



なんだか無性に悲しくなって、静乃は手をギュッと握り締めた。



「母様、私はどうしたらいいの?」



基子は黙っている。



静乃は根気強く待った。



しばらくして、基子は諭すように言った。



「待て。
時期がきたらわかる、待て。」



時期っていつ?



私はもう十分な年だ。



もう子供とは違う。



静乃の考えを読んだように基子は言った。



「お前はまだ子供だ。
どれだけ器用でも所詮は15。」