ボー

チリチリ・・・


火が
何かを食べたみたいに
大きくなった。


そして
今まで袋の中で
ぴちゅぴちゅ生きていた
金魚は
うっすら黒く
瞬く間に焦げていった。


「健太!
何すんねん!」


周りのみんなもボーっと
見てた。


俺の言葉は
音を発しなかった。


その火の中に
うずもれていった。

健太は、そのとき
何故か薄ら気持ち悪い
英雄みたいな笑みを浮かべた。