憧れていた都会の暮らしは

甘くはなかった。

田舎育ちの杏にとっては

人を信じることが難しかった。

恋をして、この人こそは・・

と信じても信じても

いずれは裏切られた。


都会と田舎の

時の流れや人情といったものの

違いを思い知らされる

ばかりだった。


そうして、徐々に

人を信じられない孤独に

飲み込まれていった。


流行の服を買い換えるように

人も取り替えてゆくような

虚しさをいつも感じていた。