<あ~,また今夜もかあ。

まったく睡眠妨害だ。

一体何人子供を産むんだ。

僕には、できないよ。

父さんみたいに毎晩、毎晩

結婚なんかしたくないよ~>


ピンと指を弾くと

白銀の衣を纏った大鷲が

バクを包んで寝床を作った。


<耳も塞いでくれ・・・>


大鷲は一枚の羽根を

バクの耳に突っ込んだ。


<羊が5匹、4匹、3匹・・>

真綿の羽根に包まれて

眠りに落ちてゆく・・・