「……ほんとだ、いつの間に…」


「おや?
君が狙ってやったんじゃないのかい?

…それじゃぁ、その女の子が併せてくれたようだね

いい表情してるよ

しかし、まぁ…」

そこでおじいさんはこの写真からなにか感じ取ったかは知らないが
一度、僕を見てからまた一言

うんうん、傑作、傑作。」

そんなことを言った。


「はは…どうも…

僕は曖昧に返事をした。


それじゃ、そろそろ帰ります。
ありがとうございました。」



「はい、また来なさいよ。
この女の子にもよろしくな」


そんな挨拶を交わしながら僕はお店を後にした。

今は、自宅に足を向けている。


(うーん
でも、いつの間にこっちに気が付いたんだろ?
ひとみちゃんがこっちを気にするわけないし
たまたまこっちに目を向けただけかな?)



しばらく原因を考えていたが
やがて
ある答えに行き着いた。


(あっ、使い捨てカメラのフィルムを巻く時の音か!
あれ結構音するもんな

その音でこっち向いたんだ

あー、でも気付かれたっぽいな

しかも無断で撮ったんだから
この次会ったらなんか言われそう

家、隣だし…ハァ…気まずい…)


そんなことを考えているうちに自宅に着いた。