「ねぇ、良かったらリード引いてみる?」


ひとみちゃんはシロに顔を向けたままそう言った。

「え、でも…」

僕は返答に困っていると
そこへすかさずひとみちゃんがしゃべりかけてきた。


「だ、だってほら、見てたらいさむ、犬好きそうだよね!

シロもなんか懐いてるから…

…嫌なら別に良いけど…」


しゃべり始めの高いテンションから最後は呟くような声になった。


「…いいの?」


「うん!いいよ、はい!」


戸惑いながら聞くとなぜか嬉しそうにリードを渡してくれた

その時、僅かにお互いの手が触れて僕は凄いドキドキした。

まあ、ひとみちゃんは僕の事
ただの幼なじみだと思ってるから
気にも留めないだろうけど…





そうして家に着くまで一緒に歩くことになった…


だが話題がない…

どうしようか…


暫く考えながら歩く…