「………」

「………」


ひとみちゃんはただ僕とわんこを眺めているだけで
僕はというとわんこに目を向けて戯れているだけだ。



その間またもや気まずい空気が流れる。

沈黙を破ったのは僕だった


「…あ、あのさ、犬なんて飼ってなかったよね?…どうしたのこの犬…?」


気まずい状況から脱するべくなんとかこの言葉が出た。


「あ…、うん…昨日親戚の子から貰ったの
…名前、シロっていうんだ…」


そう言ってひとみちゃんはおもむろに近づいてきて背の低いシロにリードを繋げた。



顔が近い!
いい匂いがする。


そう思っただけで
心臓がドキドキした


カミングアウトしてしまうと
僕はひとみちゃんが好きなのだ。昔から…

しかしあの出来事があったり僕がチキンだったこともあり積極的には話せなかった。