…暫くわんこに戯れていると誰かに声をかけられた。



「ごめんなさい、いきなりシロが走り出しちゃって…大丈夫だった？いさむ…？」


聞き覚えのある声に自分の名前を呼ばれて僕はすぐそっちを向いた。


「あっ！ひとみちゃん！」



いきなりの事で無意識に言葉が出た。



「おはよう、いさむ♪こんな早くにどうしたの？」


短パンに薄いピンク色のＴシャツを着たひとみちゃんは呼吸を整えて何か嬉しそうに爽やかな笑顔でそう言った。


そのうっすらと顔ににじむ汗が朝日で輝いて眩しい。




僕はしばらくの間それに見とれていた…





ワンワン！


じゃれていたわんこが吠えた


はっ！と我に返って相手に返事をする。

「お、おはよう長坂さん…
散歩してたらなんかこの犬が来たからつい…」


そう言うとひとみちゃんは少し淋しそうな顔をして


「そうなんだぁ…」


と言った…