そんな事を考えていると隣の家からいつもの声が聞こえてくる


「おねぇー!…お姉ーてば!!」

「なによぅ、大きな声出さなくても聞こえるてるわよ

ほんとにもう!…ふふっ。」

元気一杯の声はひとみちゃん
その後に続く少し優しい感じの声は
ひとみのお姉さんの声だろう

そんな
たわいのない日常会話が
すぐ隣の壁を隔てて聞こえてくる。


そんな元気な声を聴いてるだけで
僕はなんだか嬉しくなり心が暖まる。





「もう、この声も聴けなくなるのかぁ……」


無意識にそんな言葉が出ていた、残念そうに…






おそらくひとみちゃんは他県の優秀な高校に進学するだろう

なんせ学年で1、2を争う優等生なのだから…


そうすると自ずと実家をでて寮なり一人暮らしをするだろう

だから4月からはこの元気一杯の声は聞こえてこない…


「…しょうがないっか…」

僕は写真立てを少しだけ眺めてから

ベッドで眠りについた…。