「日向ちゃん?

ちょっと場所移動しましょう?」



呆然とする私の目の前に麗子さんがやって来て


座り込む私を優しく起こしてくれた



「…。」



歌音ちゃんと麗子さんに支えられて


病室から少し離れた長椅子に座らせられた




「蓮が日向ちゃんのこと忘れてしまったことは

日向ちゃんにとって凄く辛いことだと思う…

だけど蓮を支えてあげられるのは

日向ちゃんしかいないのよ?

辛いのは蓮も一緒……

分かってあげてね?」








「言われなくても…わかってますよ!!

何で麗子さんに言われなくちゃいけないですか!!!!」


私を慰めようと

落ち着かせようとしてくれてるのは分かる


でも今の私にそんな言葉を受け止める余裕なんてない