冷たい風



真っ暗な夜の街




はぁ はぁ はぁ はぁ………




息を切らして走った



胸がヒリヒリして



何度、息を吸っても頭がぐらぐらした





私の手首をつかんだ手の力




ベッドで私に覆い被さった
須藤さんの身体の重み




それら全ては




みーくんを思い出させて








ドンッ



………ズサッ




全力で走った私に知らないおじさんがぶつかって




私は派手に転んだ




「気ぃつけろっ」



頭上で そう厳しく注意をして



おじさんは街に消えて行く




ストッキングが破れて
ひざから血が流れた



地面に両手をつくと


ポタッ………
ポタッ………



地面に黒い染みが広がる



私の両目から大粒の涙が落ちて





もう無理だよ…………




もう無理…………



「……みーくん…………」