両手で抱えていた荷物をドサリとテーブルに置く。
「とりあえず、これだけ。」
アサガが言うとジンがその袋の中に目を通して、部屋の隅へと移動させた。

「で、これがオルビナの。」
目の前にはアサガが肩に提げていた麻の袋。

「え?」
疑問に思い、首を傾げた。私のだと言われ目の前に置かれたわけだから、アサガが私の為に何かを買ってきたのだろうと言う事はわかる。
でも、何を買ってきたのか、どうしてなのかは分からない。

戸惑う私に「ほら。」と袋の中身を出すよう促すアサガ。
それでも躊躇っていると「早く。」と急かされた。

どれだけ急かされてもその袋を開ける気にはならないのだが、私の視界の隅に映るジンまでもが「早くしろよ。」と言うような目で私を見るので仕方なく麻の袋に手をかける。

キュッと絞ってある袋口に指を入れ、開いた。
そして中に手を入れ、指に触れた物を取り出す。

サラっとした手触りで、それは馴染み深い物だった。