｢月夜って外面だけは良いよね？彼女に惚れちゃった？｣



｢バカ！な何言ってんだよ！｣



真っ赤になって弟らしき子は、彼女の頭をポカっと弱めに叩く。



｢っ…姉をなんだと思ってんのよ！今日の昼夜って月夜のだけ、ドッグフードにするから！｣



｢な！姉ちゃんうちにドッグフードなんてないだろ？｣



｢買ってくんのよ！アンタの為に！｣



｢俺は犬じゃねぇー！ついでに、猫でも鳥でもねぇーから、ちゃんとした真っ白いお米ちょうだいよ！｣



姉弟ケンカが始まっても、彼は、彼女をずっと見つめていた。と思ったら、ぐーっと音が鳴った。すぐにお腹の音だと分かったあたしは、ただただ不思議な人達だなとしか思わなかった。