「……ちょっと近所に居るインテリアな犬に似てるね?」



「え!?」



「ちょっと!姉ちゃんアンタバカだって思われるって!」



犬?インテリアな犬?どんな犬なの?見てみたいけど、見たくない気もする。



「すいませんね?うちの姉ちゃん変なんですよ。頭が、どっかにぶつけたんですかね?」



「え!?あたしに言われても……」



「ですよね?本当すいません!」



何度も謝る彼女の弟らし子は、苦笑い気味だった。ポカンとした表情をしながら、さっきの彼は、彼女のなんなんだろう?とふと思ったけど、途中で考えるのをやめた。



もしストーカーだったら、怖いし、何よりも、ちょっとムカつく性格の彼とは目を合わしたくないと思ったのだ。



話し掛けても、ムシしそうだし。彼女をジーッと見つめたりしてるのを邪魔したなんて、絶対言われたくはない。



「良いって!別に……ここの人だよね?」



表札を指さしながら言うと、弟らし子は笑いながらはいと答えてくれた。