「ん……」



いきなり彼は、立ち上がりあたしを見下ろした。



え!?何今の……早すぎる起きるの!



「あの……えっと、お早うございます」



「……アンタ誰?……衛藤の金魚のフン?」



「あのですね……あたしは」



「違うの?」



「だから!」



「違うなら違うってイイナヨ……混乱混乱」



「……あたしの名前は紫海って言って、近所に住むことになったんです」



「……ふーん……住むなら料金払わないと」




料金!?そんな話聞いてないけど。



「嘘……料金払わないとダメなんて嘘……」



ちょっとムカつくなこの人。



なんて思いつつあたしは、苦笑いした。


『姉ちゃん!ちょっと、どこ行くんだよ!』



『銀行!お金おろさないと一円もないから!』



不意に聞こえた声に、彼は、少し嬉しそうな表情になった。