次の日になり俺と、紫海は、近所に挨拶しに行くことにした。だけど、紫海はどこか浮かない表情をしていることに気付き、紫海の頭に手をやる。



優しく撫でると、紫海は満面の笑顔に戻った。



「俺様は優しいだろ?」



「う、うん!恭平は優しいよ?」



「なら、ずっと俺様といろよ?」



そう言うと、紫海ははにかんだように笑った。



衛藤家か……誰が住んでんだろ?
佐伯先生の家以外来たことねぇーしな。


そう思いながらチャイムを鳴らそうとしたら、誰かが声を掛けて来た。



「あの、うちに用ですか?」



小柄な少年だった。俺よりも、かなり背の低い少年だ。その少年は、紫海に気付くと笑顔になった。


「紫海さんじゃないですか」



「月夜くん、こんにちは」



つ、きやくん?知り合いなのか?



「恭平!昨日あたし、探索した時にね?知り合ったの」



「ふ~ん。そっか」



「月夜くんは、衛藤家に住んでるんだ」



衛藤、月夜ね。



「他に居んのか?」



「はい!姉ちゃんと、後居候の人が」