「そう言えば、幸村さんって人さっき居ましたよ?」



「幸村の奴か!オラの事いっつも勧誘すんだよ!国語以外はしたくないって言ってんのに」



「お父さんが、幸村さんにいっつも迷惑かけてるからですよ」



「そうか?オラっつーより、幸村の奴のが目一杯迷惑かけてる気がすんだけどな」



「ハイハイ分かりましたから、お父さんは、幸村さん探しに行って下さい。僕が、焼き芋の見てますから」



「分かった!オラ行ってくる」



そう言って佐伯さんは行ってしまった。


「紫海さんでしたよね?」



「はい!」



「ふふっ、元気な方ですね?」



「そ、そうですか?」


「ええ、焼き芋たくさん食べて下さいね?歓迎と言うより、お父さんが今一番食べたかった物が焼き芋ってだけなんで、申し訳ないですけど」



「いえ!焼き芋美味しそうです」



にっこり笑うと、翔さんもにっこり笑ってくれた。佐伯さん達は、二人で暮らしているみたい。



たまにお客さんだと言い張る人達が、大勢お土産を持って来るみたいだけど。