しばらくして恭平の先生…佐伯さんが帰って来た。長男の翔さんと一緒に。両手にはたくさんの芋を持って……



｢先生、芋でなんかすんの？｣



恭平は、来ている白衣を脱いで黒の半袖のTシャツになっている。まだ暑い夏だから、白衣は暑いみたい。


｢オラんちの恒例の行事だ！｣



佐伯さんは、芋をアルミホイルにくるっと巻いた。たくさんの芋は、銀色のアルミホイルに次々に包まれていく。



翔さんも同じように丸めている。美味しそうな芋が、あっという間に銀色に包まれて形だけしか見えなくなった。



それを両手で持ち佐伯さん達は、台所から庭へと移動した。






｢焼き芋か！先生好きって言ってたしな｣



恭平は、昔を思い出して懐かしそうな表情をしている。



佐伯さんは、恭平の子供の頃の担任なんだって言っていた。今は、すぐ側の学園の先生をしているらしい。



翔さんは、今何でも屋を幸村さんとしているらしい。
お金は、佐伯さんの給料があるから今はなんとかやっていってるようだ。