教室へ行くと、彼だけしかいなかった。
作業をしやすくするためか机が向かい合わせになっていた。
私は彼の向かい側に座った。

翔「今から頑張って作れば暗くなる前には終わりそうだな。」

由「そうだね。」

しばらく二人ともしゃべることなく黙々と作業を続けた。
”せっかく二人で作業してるのに会話がないなんて寂しいなぁ。”
そんなことを思っていると彼に話しかけられた。

翔「この間はありがとな。」

由「この間って??」

翔「だから、西音寺を家まで送って行った日だよ。」

由「この間ってその日??でも、私お礼言われるようなことしてないよ。」

翔「西音寺は何もしてないかもしれないけど、オレの中では西音寺のおかげだなんだはくよ。だから、ありがとなんだ。」

由「何それ。」

おかしくて思わず笑ってしまった。
彼も一緒になって笑った。
私は、今とっても幸せだと思った。
この幸せのまま告白しようと決意した。
そして、プリントを持って立ち上がった彼を引き止めた。

由「た、高岡くん。」