スケベ心からでは無く、緊張の為にハアハアと荒くなる息を必死で抑えながら全裸の彼女に近付く最中……『もしも、あそこに寝ている女の子が死体とかだったりしたらどうしよう……』という、何とも形容し難い、底知れぬ不安が唐突に頭の中を過ぎった。
生身の女の子が俺の部屋で眠っているというような嬉し恥ずかしい……いや、不可思議で迷惑な状況は有り得ないとしても。
いきなり俺の部屋に死体が置かれていて何らかの事件に巻き込まれてしまう、というような不幸な状況であるならば――俺の日頃のツイて無さを考えれば十分に起こり得る。
せっかく彼女に近付く為に捻り出した勇気が、音を立てて風船のように萎みそうになるのが自覚できた。
緊張の為だろうか、背中をジットリと濡らす汗が冷ややかに感じて嫌な予感をいっそう加速させる。
彼女が眠っている場所――俺の部屋の端に向けて一歩だけ踏み出した勇気の象徴とでも呼ぶべきであった歩みの足が……俄かに止まってしまった。
生身の女の子が俺の部屋で眠っているというような嬉し恥ずかしい……いや、不可思議で迷惑な状況は有り得ないとしても。
いきなり俺の部屋に死体が置かれていて何らかの事件に巻き込まれてしまう、というような不幸な状況であるならば――俺の日頃のツイて無さを考えれば十分に起こり得る。
せっかく彼女に近付く為に捻り出した勇気が、音を立てて風船のように萎みそうになるのが自覚できた。
緊張の為だろうか、背中をジットリと濡らす汗が冷ややかに感じて嫌な予感をいっそう加速させる。
彼女が眠っている場所――俺の部屋の端に向けて一歩だけ踏み出した勇気の象徴とでも呼ぶべきであった歩みの足が……俄かに止まってしまった。