お姉ちゃんは目を丸くして言った。

「ヤヨイ。」

「何?」

「わたしとお母さんは、ヤヨイに恩返ししてもらいたくてヤヨイを育てたんじゃないよ。」

そんなこと、わかっている。

二人とも、本当に優しくわたしを育ててくれた。

こんな良い人、世界に何人いるのかわからない。

だからこそ、わたしは恩返ししなきゃいけないと思うんだ。