やっぱり日本語通じなかったのかな。

「どうかした?」

先輩の佐々木さんが聞いてきた。

「外国の方だと思うんですけど…日本語が通じなかったのか何も言わずに帰っちゃって…」

「ああ、あの人ね。」

佐々木さんは眉間にシワを寄せて言った。


「一週間前から役所の中うろついてんのよね。話し掛けても何も言わなくて。」

「えー、何それ。気持ち悪いですね。」

「いつもの嫌がらせかもね。」

「ああ…。」