テーブルには「東京バナナ」が一箱置いてある。

「美味しいわよー、それ。」

お姉ちゃんが口のまわりにクリームをつけたまま言う。

「ふーん、拓也、東京行ったの?」

「うん、出張!なんか大人の響きだよなー。」

拓也もははっと笑いながら、東京バナナに手をのばす。