「なんでって、何年あなたを育ててきたと思ってるの。暗い顔して帰って来て、夕飯も食べずに部屋に入って、仕事熱心なあなたが寝坊なんて。」

お母さんは、わたしをソファーに座らせて、頭を撫でた。

「よっぽどのことがあったにきまってるわよ。」


思わず涙が出た。


きっと、この人はわたしの産みの親よりわたしのことを知っている。