もう一つ、わかること。


わたしの小さい頃の夢は、歌手になることだったんだ。


大きな夢だな。

それが、普通に高校出て普通に役所で働いているなんて、記憶を失う前のわたしが知ったら泣くんだろうか。



いや、でもわたしには、そんな晴れやかな舞台は似合っていないと思う。

記憶があってもなくても、わたしはこうなっていたのかもしれない。


それこそ、神のみぞ知る、だけど。