そこには父親にあたる人がいなかった。

後に、彼は事故死したのだと聞かされた。


わたしはサツキを実の姉、彩子を実の母だと思えるくらい温かく育てられた。



結局、19になった今も記憶はないのだけれど。

それでもいいかと思えるくらい、わたしは恵まれていた。

記憶を取り戻すのが怖いくらい。