「ただいま。」


あの後。


わたしはアレックスに何も言わずにあの部屋を出た。

『俺は来週の日曜日にアメリカに帰国する。それまで、ゆっくり考えてほしい。もし良い答えがでたのなら。』


アレックスはわたしに無理矢理、紙切れを持たせたけど、引き止めようとはしなかった。

紙には彼の電話番号が書いてあった。


部屋を出てから、ここはホテルなんだと気が付いた。

安っぽいラブホテルではなくて、高級感漂う、落ち着いたホテルだった。