『約束?』

『ああ。』

『どんな…?』


アレックスはわたしの頬を優しく撫でた。

これじゃあまるで、恋人みたいだ。


わたしはアレックスをジッと見た。


この答えはきっと、わたしの記憶の重要な部分だ。

怖い。


記憶を失う前の自分を知るのは、すごく怖い。


怖いと思う心の裏側で、知りたい、と思っている自分がいることに気が付いた。