『ごめん。混乱させているよな。』

アレックスの言葉に、わたしは声は出さずにうなずいた。

当たり前じゃん、という気持ちをこめた。


『なんであなたは、アイを探してたの?』

あえて「わたし」じゃなくて「アイ」 にした。

『約束をしたんだよ、彼女と。』

アレックスも「君」じゃなくて「彼女」と言った。

それはアレックスの、アレックスなりの優しさなのかもしれない。