『これから君とゆっくり話がしたい。』

アレックスはジッとわたしの目を見る。

きっと、今のわたしの顔は真っ赤だ。

拓也に初めて話し掛けられた時より真っ赤だ。

しかも、これは悔しさじゃなくて…


『突然で困るだろうな。でも俺は十年以上君を探してきたんだ、アイ。』


ときめきのような感情が一気に驚きに変わった。

今、アレックスはわたしをアイと呼んだ。