「いや、気にしてないし。」

事実だった。

冷酷なんだろうか、わたしって。

父親が死んだと知っても、彼の記憶がないせいか、可哀相だなあとしか思えない。


「お母さん、お風呂から出て来ちゃうかもしれないし。この話はおしまい。」

お姉ちゃんは少し心配そうにわたしを見たけど、わたしが元気にご飯を食べる姿を見て、安心か諦めか、ため息をついて詮索をやめた。