『じいや、泣くなよ。』

アレックスが言った。


あ、本当にじいやって呼ばれているんだ。

じゃあやっぱりアレックスは御曹司?

『はい、ホテルに戻れば良いのですね?』

『ああ、頼むよ。』


車が動く。

なんとなく緊張する。

『お坊ちゃまがアイお嬢様を探しに行くと言った時は、わたくし、見つかるわけがないと思っておりました。』

じいやは運転しながら語りだした。