『さあ、乗って。』

アレックスが車のドアを開けてわたしを促す。

その姿が紳士的で、わたしは不覚にも、ドキッとしてしまう。

だから、そんな場合じゃないのに。


『ありがとう。』

なるべく冷静にするように気を引き締めて、余裕の笑顔を見せる。