「ここ、ずっと行くと、何かあるの?」

「何か……?

何か…あったかな~…」

また考えるようにしていた先生が、「あっ」と、思い出したように口にした。

「何か…あるの?」

「うん、ある…ちょっと、行ってみよう」

先生は少しだけ早足になって、手をつなぐ私を引っ張っていった。

川にかかる小さな橋を渡って少し行くと、

並木道があって、その先に何かが見えるようだった。

何かは、近づくにつれて、だんだんとはっきりしてきた。

最初に、三角の屋根の上に立つ十字架が見えて、

それから、こじんまりとした教会の景観が目に入った。