「……デートって、どっか行きたいところとかあるのか?」

先生と、午後の街に出てきていた。

「別にないから……先生、どこかつれてってよ?」

私が言うと、先生は「う~ん……」と、考え込むように腕組みをした。

「ここらへんは、なんにもないからな……。

行くところって言ったって、ただ散歩ぐらいしか……」

「散歩?

先生といっしょに、歩きたい、私」

「じゃあ、散歩するか、2人で」

「うん」と、私はうなずいた。